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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第3章 共働きの財閥
「コイツ達の女癖の悪さは財閥でいう『帝国』だ。天下一品なんだよ。でもなあ、コイツ達が作る歌も声もダンスも演技も──各自の才能とグループとしての才能は、それをカバーする位の『天下一』なんだ」
「サファイアよりも?」
「そう。俺達も歌うめえし演技も出来る。でも、才能とか実力の面ではコイツ達にかなわねえって皆思ってる。だから、あのパンさんが許すんだよ」
「そんなっ、ちょっと待って。この子達はSMAPになりたいんでしょ?」
「ああ」
「SMAPって決して歌は上手くないのよ、ダンスも揃ってない。でもあれだけの人気が出たのは『運』と『タイミング』と『人格』──そしてプロデュース力」
「才能が有るからってSMAPになれる訳じゃない、あんた達が自分の実力を分かってる様に……不動の地位を築くのに必要なのは必ずしも実力とか才能だけじゃないのよ」
「だから、パンさんはそれを叩き直せる人が欲しいんだよ」
「だからだから煩いのよ!何で、それであたしが選ばれるワケ?」
静まり返る室内、目の前の男の子五人はモノ珍しそうな顔で私を見ている。
そりゃあそうだ、天下の帝国──そして天下のサファイアを仕切ってる彼に、ここまで偉そうに文句を言える女なんだから。
「──あっ」
「気付いたか?」
「もしかして──こういう所?」
「ははっ、お前も頭の回転だけは速いよな。そうだよ、そういう所」
「お前は俺にこうやって文句を言ってくる。この俺に、だ。」
「……。」
「しかも、あの帝国グループ会長の俺の嫁だぞ?」
「コイツ達も安易に手出せねえし、お前も俺を旦那として持つ以上コイツ達に安易に引っかかる事も無えワケだ。」
「それでっ──」
「俺とパンさん、そしてジン含む他のメンバーで満場一致の意見だったなあ。お前をFBKのマネージャーにするっていうのは」
「……」