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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第11章 重要参考人の貴婦人様
「っ、ああ!知ってるよ!アイツはお前の為に人を殺した。──俺だってな、全部知ってんだよ!」
普段は二人で『今日はどっちが使うの』なんて言い合いをしてる可愛い綾波レイの抱き枕を、思い切り地面に投げつけたテヒョンの目には涙が溢れていた。
──私、この人が泣く所を見るのいつぶりなんだろう。
私が……殺されかけたあの時以来かもしれない。何故か知らないが、テテとアイが生まれた時、この人は泣かなかった。
「イルトが愛してくれてる?ジェジュンが愛してくれてる?いやっ、FBKはお前を誰よりも信頼して愛してる。それがどうしたんだよ」
「だから何なんだよ!」
「アイツらがお前の事どう思ってるかなんてな、お前が自分の身体張って今確かめる前から俺はずっと気付いてたんだよ!」
「何よ、結局そこじゃない。」
「私は自分の管理不足が原因と云えどまた死にかけたの。そして今、この世に生還してきた。それでも──それでもアンタはこうやって私に畳みかける様にして怒るの!?」
「ちげえよ」
「じゃあ何なのッ…」
「俺はっ──」
「俺は、ただお前の事が好きすぎて怖いだけなんだよ。なあリサ、なんでお前は分かってくれねえんだ?」
「……っ」