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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第12章 隠蔽工作は愛の味
「夜遅くまで練習して、皆でコンビニ買い物行って、じゃんけんで負けた方がお金払って、『ごちそうさま~』なんて言いながら甘いモン食べてまた練習して……」
「事務所内外で変な噂が経った時も、誰かが私の事を悪く言った時も、アンタらはいつも私本人にそれが回らない様に話しを止めてくれてた。──それだけじゃない、『ヌナの何を知ってそんな口利いてんすか』って噛み付いてくれてた」
「アンタらが、どれだけ私を大事にしてくれて──そして、私がアンタらの事を信頼してる様に、信頼してくれてる事も全部知ってた。」
「……そして、それが嬉しかった」
「今ね、この話しを会長から聞いて私は凄く嬉しくなったの。……自分を本気で愛してくれてる人の才能が認められて、夢へ近づけたってコトなんだよ」
「だから私は──」
「私はっ……」
「アンタらにもっと夢を見させてほしいと思ってる」
「帝国夫人になって、アンタらの側に居れて、それでも『夢を見させてほしい』なんて我儘だし欲深い事、自分が一番分かってんの。」
「でもね、私はアンタらの夢を叶える過程を一緒に見ていきたいんよ。そこに家族だのマフィアだのどうでも良いんよ、ただっ──ただ、五人仲良しのFBKをこの目でずっと見ていきたい」
「だから──引退とか活動休止とか、そんな事はとりあえずMAフェスに出てから考えてほしいなって思ってる」