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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第12章 隠蔽工作は愛の味
メイクを直す、髪を整える、タバコを隠す……そんな漫画に出てくる"好きな人に会う前の女子ならではの行動"をする暇もなく、返事を聞くや否や部屋に突進してきたのは──
確かにスキンヘッドの言う通り、帝国グループの社章をシャネルのスーツに付けた私の旦那さんだった。
「ヒョンッ!」
さっきも言った通り、韓国は上下関係は非常に厳しい事で知られてる。
今はあまりないみたいだけど子どもが両親に敬語を使うのが普通だったり、お母さんの言う事は絶対だったり。
その他にも身近な事だったら、年上の前で何かを飲む時は口元を隠して横を向きなさいやら、お酒を注ぐ時や握手をする時は片方の腕も沿えなさいやら──まあ厳しいのだ。
だからこそ、こんな状況元でもFBK四人は立ち上がってテヒョンに頭を下げるのだろう。
そしてテヒョンも、それを何とも思わない様で"座れ"と右手で合図をする。
「ヒョン、どうして……ここを?」
「……何でも知ってるに決まってるだろ。俺はBNの役員みたいなモンだ。お前らの出生も過去もほとんど知ってるよ」
「そうですか……。」
「バッグ、置かしてもらって良いか」
「あっ、どうぞ。全然そんなの」
ビジネスバッグを綺麗な床に置いた彼はゆっくりと私を見て──こう言った。
「──リサ、ジェジュン、ジュン、ミンホ、アリー……。イルト。」
「すまなかった」