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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第12章 隠蔽工作は愛の味
「ヌナ、俺達も同罪だ。アイツがクウを殺す瞬間をこの目で見てたのに止めれなかった」
「本来なら後ろから殴り掛かってでも、仮に俺達にアイツが銃口を向ける事が有ったとしても──それでも止めるべきだったんだ」
「アイツが人を殺そうとした時点で……」
「ヒョンの言う通りです。俺達はそんな家庭に生まれて、いつかはそれぞれの組を継ぐ必要があるかもしれない」
「もっと言うと、こうやって自由に使えてるお金も『人を地獄に落とした金』なんですよ。覚せい剤や売春、金貸し、全部そう。底に付けば地獄も同然だ」
「俺のアボジ達は地獄を見せようとする。理由は一つ、地獄に落ちてくれた方が金も落ちるから、です」
「そんな──そんな金で食べてきた俺らは、BNの邪魔になるだけなんですよ」
ああ!もう!テヒョン!
そう叫んでやりたかった。
せっかく彼達はMAフェスの事を聞いて少し心を入れ替えてくれたというのに。
ここで彼がその話を言い出さなかったら──少し変わってたかもしれないのに。
「例えばの話、していいか」
「……え?」