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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第13章 夢の大舞台
「………。」
「ええ?!」
重なる声は私とクリスタル。
母親も妹の通訳のおかげで意味がわかるらしい。目を丸くしてナイフを落としそうになっていた。
「いやッ、そのッ──それはだな。あのお、やっぱり子供達にとって「アボジ、俺は帝国グループの現CEOだ。グループの金の動きはみて当たり前なんだぞ?」
「……」
「入場料の140万近くを、その為だけに帝国基金を設立して、そこから払ったらしいな?」
「おっ、おい!お前も140万円くらいでグチグチ言うんじゃない。」
「いや、まあ。節税対策にはなるけどよ。でも……あの兄弟の事も有って大分、今期だけで出費してるんだぞ?グループから。」
「ましてや、MAフェスのスポンサーになって毎年2億くらいしか寄付してないのに今年は五億って……はあ。」
「なにそれ、アボジ!ちょっとどういう事?!」
「違うんだ、リサ。聞きなさい」
一気に梅酒を飲み干したアボジは、焦っているんだろう。
普段はタバコなんて吸わないくせに、強引にテヒョンのタバコを取り上げると、咳き込みながら煙を吸い込んだ。
そして、まるでシャーロック・ホームズの様に気取りながら優雅に話していく。
それを見る私たち四人の目は、お門違いな推理をしている小五郎を見ているコナン君の目とそんなに大差ないだろう。
「ひとつひとつ整理していこう。まず、ロッテワールド招待の件についてはな。」
「これは、前もって授業中にクジを引かせていたんだ。だから当日はウォンイン小学校の子と桜花南小学校の子、四人組がペアになって行動する様になっている。」