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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第13章 夢の大舞台

携帯を持ったまま、何もない天井を見上げるとひょこっと見慣れた顔が心配そうに私を見つめてきた。


「ジェジュン。」

「どうしたの、そんな浮かない顔して。俺らのリハーサル、不満だった?」

「──」

「なんだよ、まさか図星?」


あの時と同じくして、冷たいコーラを手渡されると嫌でも涙が出てきそうだ。

この子達は……どうするんだろう。


せっかく心を入れ換えて、みんな一から頑張りだしたという、このタイミングでハンソン兄弟の名前を出して良いんだろうか?

──ここまで来ると、あの兄弟はそのタイミングこそを見計らっていたのじゃないか、とも思える。

いや、きっとそうなのだろう。

それが出来るから二人の兄弟は、裏世界でここまでのビッグマネーを動かせるくらいになったんだ。



「………。」

「何何、マジでどうした?」


「……ッ、いや何もない「お前この番号、誰だよ。」

隣から現れたイルトが背の高さを武器に私の携帯をいとも簡単に取り上げると、野生の勘なのか何なのか……

すんなりと着信履歴の画面を表示させ、眉間にシワを寄せながらそう訪ねてきた。

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