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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第14章 信用は危険への階段
「そりゃ、そうでしょ。ユンサは確かに私には優しかったしイヴァンがコカインを入れた時も本気で怒ってた様に思えた。」
「でも──それでもアイツらは悪名高き"ハンソン兄弟"なのよ。」
「ワケ分かんない理由で、日本と韓国とロシアの子供を誘拐して、臓器取り出して、まるでダッチワイフを縫う様に子供を縫い直し親に送り返す様な──そんな事をやってのける兄弟なの」
「私にだけ優しいとか、テヒョンが居るとか、あんたらが居るとか──そんなのを全部含めても怖いのは怖いよ」
「じゃあ「でもっ……。ほら、私ってバカだからさ」
「だから……なんか上手にいえないけど、彼達兄弟の最後の大勝負がどうなるかをこの目で見たいし、それで改心する。と言うならば、それはそれで良いんじゃないかなって。」
「私が行く事で、これからの未来をいきる子供達の可能性が広まるなら──それが例え1%の可能性でも信じてみたいなって」
お人好しとバカは紙一重だと、インターネットサイトで見たことが有るけれど、今の私のこの言葉はまさにその通りだ。
ハンソン兄弟を好きでもないし、むしろ嫌いだけど……でもどこかで変わってくれたらな。と母親の様な目線で見ている自分も居る。
犠牲になった子ども達はどうなる?と聞かれたら、何も返事は出来ないけどね。
まるでサイコパスの代名詞の様な言葉『成長に多少の犠牲は必ず必要だ』なんて……そんなのは言えっこない。
だけど、まだ爽やかにそう思えるのは変な意味で場慣れしている私の強味なのか、それとも弱点なのか。
きっとテヒョンに言わせると、この考えこそが怖いもの知らずな所に繋がるんだからそれは弱点だ!当たり前だろ!と声を荒げて言ってくるだろう。