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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第14章 信用は危険への階段
「──じゃあ、俺らはヌナを精一杯サポートするし守ることをここに誓うよ」
「ふふっ、なにそれ。結婚式の言葉みたいね。」
私よりも25センチ以上は背が高いイルトを見上げて、心の底からの笑みを向けると少し照れたように顔を背ける。
それを見たジェジュンとミンホは、チャカすような笑顔で私たち二人を見つめてくる。
「はいはい、イルト。離れろよ、どうする?もしヒョンがスーパーマンみたいに五分でここに到着したら」
「……んっと、おめえらって小姑みてえだよな。あーだこーだ言いやがって」
「ええ?あんな照れてたんだから、そうやって抱き締めあってる方がイルトにとっては"死活問題"なんじゃねえの?」
アリーがそう言うと、ジュンが大きく吹き出した。
「おめえらなあ!!」
ようやく私の背中から手を離したイルトが、ジュンを追いかけると我らがマンネはキャーキャー言いながらソファーの上や机の横を通りすぎて、楽屋全部を使い逃げ回る。
「おい、こら!ジュン!」
「もうっ!今から大勝負だって時にアンタらマジで……」
激しい音が表すのは、机の上にあった衣装の替えが落ちた瞬間の光景。
「暴れないで!楽屋内では走らない!騒がない!落ち着いて!」
「だってヌナ、イルトが勝手に追いかけてくるんだって「ああ?おめえが黙ってたら有ること無いこと言うからだろうが!」
このままだとプロレスに発展するな……というのが、何だかんだこの半年近くFBKと長い時間を過ごしてきた私の見解だ。
そして、その見解はものの数秒で『大当たり』となった。
はあ──と大きなため息をついて、衣装を拾って再度、机の上に置く。