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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第14章 信用は危険への階段
……今からハンソン兄弟と会って、全員真剣な顔して話し合いをするって言うのに。
それまで一時間を切ってると言うのに。
テヒョンの電話の態度に、神経の図太さを感じたが、この子達の図太さはそれを遥かに越えていくだろう。
若さ故の怖いもの知らずというものではない。
勿論、家庭柄色々とヤバイ話も聞いてるだろうから何も考えていないワケではないだろう。
ただ──もし血が有るとするのならば、これこそが『マフィアの血』なのかもしれない。
なんて言うんだろう。根性の決まり具合が常人離れしている。それはテヒョンもそうだ。
……やっぱり経営者やマフィアといった誰かの上に立ち、的確な判断をその場で求められる家庭の家に生まれた子達は、他の子とは違うのかもしれない。
勿論、大きい会社の息子でも女々しくて会社を潰しかねない様な子は居る。
だけど──すごい確率で、そんな子とは真逆の子達五人が仲良しとなり、そして芸能界で成功を掴もうとしている。
その先輩が、レジェンドであるSfireでマネージャーの旦那が帝国財閥のトップ。
私の周りにそういう子が多すぎる。確率論を使おうか、それとも運命論を使おうか。
どちらが正しいのかなんて今の私には分からないけれど、楽屋内で行われてる小学三年生レベルの争いを見ていると、本気で笑えてくる。
クスクスと笑った私を見て、残りの三人が心底安心そうな顔をしたのは私はまだ知らなかった。