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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第14章 信用は危険への階段
あの電話から15分後──ドアがノックされる前に強引に開かれる。
勿論、そこに居たのはテヒョン……だけど、どうしてなんだろう。隣にはスーツ姿のジン君とルイ君が居た。
「っ、ヒョン!!」
先程までの大騒ぎが、一瞬で静かになり皆が直立不動で立ち上がる。
まさかのテヒョンだけじゃなくジン君とルイ君がこの場に居るというのが、彼達にとっても大きかったのだろう。
五人全員の目が、これでもかと言うくらいに見開かれていた。勿論、私の目も……。
廊下を行き来するスタッフさんや、その他の若手芸能人達もテヒョン達三人の後ろ姿を見て、二度見ならぬ三度見をしている。
それもそのはず。
今回はSfireとしての出演は決まっていないし、むしろ彼らは断った側なのに。
ワケが分からない、という様な顔をしていたのだろう。
「とんだアホ面だな」
といつもの嫌みを言いながら、他人を避ける様にドアを閉めると三人は先程までイルトとジュンが技をかけあってたソファーの上に座り込んだ。
「……どうして、ジン君達が?」
「言っただろ、後の都合は俺でつけとく。って」
「いやっ、確かに言ってたけど。──えっ?なんの都合?」
理解に苦しむ。
──すると、意地悪するなよ。と言いたそうなジン君が冷たい視線をテヒョンに送りながら、ゆっくりと説明をしだした。