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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第14章 信用は危険への階段

「練習生時代とか噂にならなかったの?それこそ同期や先生たちに、なんでそんなブランド物ばかり持ってるんだ?とか車は外車なんだ?とか」

「ああ。まあ聞かれたけど……」

「本当のこと言うワケにもいかねえし、全員の親父が経営者だって言ってた。幼馴染みで私立幼稚園から一緒だから仲良しだって」


「なるほどね。あながち嘘じゃないじゃん」

「ははっ、まあそうだな。」


渇いた笑いが起きたと同時に、到着を知らせる機械音が響いた。

「あ、あそこだな。おい!アボジ!」

我先に出ていくイルトの背中を追う様に歩き出す残された四人。

久しぶりに見るイルトのお父さんに軽く頭を下げてから、ジェジュンと瓜二つの男性を見上げた。

身長は180センチを越えているだろう、顔も小さく足も長い。

50代独特の色気と、やんちゃそうな若さが上手に交ざっている。ああ、これは相当モテるな、というのがFBKの中居君の父親に対する第一印象だった。


メンバーたちも、各お父さん方に挨拶をしている。会話からして、相当仲良しなんだろう。

ヒョン!なんて言い合って……芸能人と広告会社の大ドンたちが立ち話をしているようだった。


「リサちゃん」

「はっ、ハイッ!」

急に呼ばれた名前、そしてまさかの『ちゃん』付け。

テヒョンと一緒になってから年上の人からも『リサさん』と丁寧に話されることの方が多かったからどこか懐かしい気分になる。

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