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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第14章 信用は危険への階段

「イルトのアボジが居る前でこんな事を言うのは何だが……うちのバカ息子達を、ここまでアツくマトモにしてくれて本当にありがとう。」

「いやいや、そんなっ」


「多分、新家だけじゃない。ウラジーミルファミリーも全部含めて我々は裏社会で大きすぎた。それ故に子ども達にお金や権力、といったものを与えすぎたんだ。」

「芸能人になる、なんて初めて聞いた時は、思わず吃驚したし『忍耐力の無いお前らには到底無理だ。』と心の中では思っていた。正直。」


「案の定、はじめの頃はヤンチャをしてたみたいだしね。レッスンのストレスを発散するかの様に──」


「おい、親父。何言い出すんだよ」


「ちょっと待て、ジェジュン。」


「──でも、リサさんがマネージャーになってからなんだ。ジェジュンが家に帰って来た時も『マトモな苦労話』を聞かせてくれる様になった」

「新曲のダンスが難しいとか、マネージャーに決められた衣装がキツいからちょっと痩せなきゃ。とか、そういうアイドルらしい愚痴や話をね。」


「そして何より、五人集まった時に全員の親が思ったと思うが──『守るモノが有る強さ』を手にいれたんだよ、こいつらは。」


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