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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第14章 信用は危険への階段
礼儀や上下関係を重んじる彼が、イルトやジェジュンのアボジ達より先に席に座るんだから、あながちワザトその席を選んだんだろう。
「ちなみにこの部屋は喫煙ですので、皆様の前に置いてある灰皿は自由にお使い下さい。」
「リサさんは──タバコが好き「おい、人の嫁の名前軽々しく呼んでんじゃねえぞ?」
低く、威圧感のある声。
思わず目が合ったアリーと私。
『テヒョン、かなり怒ってるよね』とお互い表情で語り合った。
テーブルの下でテヒョンの手を握ると少しだけ目を大きくした隣の旦那さんは私にだけ聞こえる大きさで、息を吐いた。
「ユンサ、お前の悪い所はそういう所だ」
ジッポで火を付けたタバコを、親指と人差し指で持ちながら吸うイルトのお父さんは、何だろう──とても渋かった。
声のトーンも行動も全てが映画のワンシーンの様だ。例えるならば、アウトレイジの重役かな。
「回りクドイんだよ。息子達から話は聞いてる。」
「確かにお前達兄弟の方が今は有利な立場に居るだろう。──うちのお姫様が『守りたいと思った子ども達の命』はお前らが握ってるも同然なんだからな。」
「でも、俺は新家のトップで俺の隣は神宮会のトップだ。息子達は芸能人で、お姫様はそのマネージャー。そして王子は、あの帝国財閥のトップ。」