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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第14章 信用は危険への階段
「俺らは金で中国を売ろうなんて考えつく様なお前らとは『お里が違う』んだよ。」
……テヒョンが帝国を継ぐと決めたあの日。
彼は私とアボジとイさんを78枚の資料を持って完全に言い負かせてみせた。
いわゆる論破、というやつだ。
──その瞬間を隣で見ていた私。今はその時と同じ感覚を胸に覚えている。
『コイツ、スゴい。』
そんな気持ち。
「ははっ、スンリさん。彼を芸能界入りさせて良かったですね。僕が見ていた頃と全然違います」
「そうだな、それは私もそう思うよ。」
「じゃあ僕から交換条件を出します」
「交換条件だあ?」
「……リサさん」
突如呼ばれた私の名前。
柄にも無く、デーなんて背筋を伸ばしながら返事をしてしまった。
「私と籍を入れませんか?」
「………。んっ?」