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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第14章 信用は危険への階段
「──はあ。皆様、私達兄弟が誰だか分かっていませんよね。」
「私達は、あの"ハンソン兄弟"です。」
「中国の傘役や財閥の土地利権が手に入らなかったからといって、そのまま諦めて何も得ずに帰ると思いますか?」
「どういう事だテメエ!」
響くテヒョンの声。
「今日のMAフェス、貴方のお父さんが子ども達用の席を用意しましたね。」
「……。」
野生の勘なのかな、それとも女の勘なのかな。何だかスゴく嫌な予感がした。
「──そのキッズゾーンを取りまとめるエリアにこちらから起爆装置を付けた警備員を忍び込ませました。」
「………ッ!」
「ははっ、聞いて下さいリサさん。ですがテテ君とアイちゃんは2階の会議室BHに隔離しましたよ。もちろん、手足を縛らせてもらっただけで、何も危害は加えていません。」
「イルト君もそうですが、貴方たち夫婦もそうだ。」
「やれ、日韓関係の改善だ、生まれは関係ないだ──きれい事を言うならば、他人の子でも助けてみたらどうですか。」
「リサさん、貴方が私と共に生きると言うならば貴方の目の前で起爆装置を解除させます。もちろん会議室の鍵も解除します。」
泣きそうになる。
完全にナメテかかってた。
イルトが言い負かして……その時点で……私達は笑顔でこの部屋を出れると思ってたのに。サファイアとテテとアイとアボジと、FBKのステージを見て盛大な拍手を送るつもりだったのに。
「おいこら、ユンサァ!おめえ殺されてえのか?!誰の嫁にそんな事言ってんのか分かってんのか?ああ?!」