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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第14章 信用は危険への階段
「テヒョンさん、貴方はジョン・F・ケネディご存じですか?」
「ぁあ?」
私を守る様に左腕を伸ばして、そう聞き返した彼。
「彼の妻であった女性……そう、貴方達のお子さまが生まれて少ししてから『マリリン・モンローは他殺だった、指示をしたのはジャクリーンだった』というニュースの加害者、ジャクリーンは──」
「海運王のオナシスと結婚しましたよね。彼は何故ジャクリーンを選んだのか」
「答えは簡単です。自分の妻にも名誉やレッテルを求めたから。」
「……。」
ドンッと頭痛が走る。
まさか、私たちが出会った時にあれほどまでに振り回されたマリリン・モンロー絡みの話がここでも出るなんて。
偶然も度が過ぎると恐怖さえ覚えるものだ。誰にもバレないように机の下で拳を握った。
「……ッ、おめえまさか…」
「そのまさかですよ、テヒョンさん。」
「私の妻が元帝国財閥のトップの前妻だと裏世界で知れ渡ると、私の顔は立ちます。私は──オナシスと一緒で世間が一番注目し、欲しているレッテルを持つ女性と一緒になれたのですから。」
「──テメェ……オラ、ユンサ!ふざけた事ばっか言ってんじゃねえぞ!」
激しい音と共にテヒョンの座っていた椅子が倒れた。
焦った私の力なんか到底及ばなくて、逆隣に居たイルトとジュンが必死に彼を止めている。