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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第14章 信用は危険への階段
「ユンサ、あんたと籍いれるわ。それでテテとアイは勿論、あそこに居る筈のアボジも子供達の命も助かるんでしょ。」
「おいっ、リサ!おめえそれがどういう意味か「……但し、こっちからも条件よ。」
「明日、アンタらが売買目的で囲ってる子供達が居る所に連れて行って。そして私の目の前でその子達を解放してあげて」
「……ははっ、テヒョンさん。これがリサさんの意見ですよ。」
「リサッ!」
「おめえ……おめえ……コイツと籍いれるって事は俺の嫁じゃなくなるって事なんだぞ?!テテとアイにも会えねえんだよ、俺の側にも居れねえんだよ!」
「ヌナ──マジで言ってんのかよ」
今にも泣き出しそうなテヒョンと、目を大きくしてそう問いかけたジェジュン。
私は大マジだ。こんな内容の冗談を、今のこの瞬間に言う筈がない。
「──これで、いいのよ。」
「良くねえだろ、──ユンサァ!イヴァン!おめえらぶっ殺す!!」
「いいって言ってんでしょ!!!」
「帝国財閥の……帝国グループの……」
ああ、また思ってもいない言葉で大事な彼を傷付けてしまうんだ。
そう思うと涙が出そうになった。
「トップの嫁なんて、正直息が詰まってたの!!町を歩いても車を運転しても、誰も私をソン・リサとは見ない。テヒョンの奥さんや、帝国のあの方だ。という目で見るの」
「そんな状況──もう懲り懲りしてた!!!これでいいのよ!」
一筋だけ流れる滴は下手な嘘への同情か。
バレない様に、財布と携帯を音をたてて机のど真ん中に置いた。もう誰も反対もしないし、声も上げない。