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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第16章 衝撃のヨクサムドン
いつもこうだ。
どうして私は男絡みとなると安心と安全を手に入れれないんだろう。
テーブルにもたれかかる様にして、腰を浅く座ると頭の中に今までの『修羅場』というヤツのシーンが次々浮かび上がってくる。
毒盛られたと思えば、刺されて撃たれて薬入れられて、今日は『殴られた』か。
眉間に皺を寄せながら失笑気味にユンサを見る。
これ以上、私に近づこうとしない代わりに酷く冷酷な瞳で見つめてくる。
「お前は──俺のオンマみたいに何かを守るために、男に従順になれないのか!?」
「はあ?」
「オンマは俺たちの生活を守るために……金を守るために……アイツに性奴隷みたいに扱われても何も拒絶することなく受け入れてたんだ!すべては、何かを守るための行動だ!そうだろう?」
「でもお前は、帝国財閥なんて云う"守らなくても消えることのない存在"を知りすぎてるせいで、人生に甘えてる!いいか、俺はな──お前みたいに『ナメ腐ってるヤツ』が一番嫌いなんだよ!」
瞳孔を完全に披かせて、そう叫んだユンサは私の知るユンサじゃない。
完全に狂ってしまっていた。私の拒絶という行動が、普段の彼を壊し心底に隠されていた本性を出させる最高の機会となってしまったのだろう。
「ナメ腐ってる女って──」
だけど狂ってる奴たちには慣れてる。
だって、あそこまで成功しているサファイアも芸能界で断固たる地位を築こうとしてるFBKも皆、逆の目線で言えばクレイジーだもん。
クレイジーだからテヒョンはあそこまで成功したし、イルトは私のために殺人を犯し、その他のメンバーも今ではそれを全く気にする素振りなんてしていない。