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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第16章 衝撃のヨクサムドン


慣れてるからこそ──言い返せる強さを持つのだ。

そして、その強さが世の男を虜にするんだと思う。


「いい加減にしなさいよ!聞き捨てなんないわ、今のは」

「何だと?また言い返すってのか?」


ドスドスと音を立てながら私に近づいてくるけれど、当の私自身はまだ痛みが激しくて逃げることすら出来ない。

だから……胸倉を掴まれても睨み返すしかなかった。


「私が人生舐めてるだ、甘いだ、何も守れないだ、守るものがないだ……」


「黙って聞いてたら偉っそうに!あたしの何を知ってるっていうの!?」



「私にはテヒョンと帝国、そしてテテとアイ達っていう家族や、家族と同じくらい大事にしてるFBKがいるのよ!!──そして、彼達を守るためにッ!あんたとあの部屋を出ていったの!」

「あんたのオンマが何を考えてたのか、本気でアンタ達を守りたい一心で旦那さんに尽くしてたのか──そんなのは知らない。でもねえ!!」


「少なくとも私はシャブ中じゃなくて、あんたのオンマはシャブ中なのよ。同じなのは子供を産んだってところだけなの。」

「守れないだ、どうして従順になれないんだって──そんなの環境が違うんだから当たり前だし、第一に私はシャブ打ってない者の守り方で自分の愛する身内達を守ったつもりよ!」



「あんたに……」


「あんたに何が分かんのよ!!」



ドンッと地面に叩き落とされると、そのまま彼の足が私の顔を思い切り踏む。


鼻血が、絵に描いた様に飛び出してきた。……これは、折れたな。


「お前こそ偉そうに言ってんじゃねえよ!俺のオンマは確かにシャブ打ってたけど──でも俺たちを必死に守ってくれたんだ!オンマなりの優しさでな!!」


「……ッ」

さすがに目をつぶる。


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