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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第16章 衝撃のヨクサムドン
ヘラヘラとキッチン下に雪崩る様にして座り込んだユンサの頬を思い切り叩いた。
「目エ覚ましなさいよ!バカみたいな顔してないでよ!」
「なあ、どうしてお前はこんな状況で笑えたんだ?強く居れたんだ?」
「……。」
「そこまでテヒョンが好きか?そこまで──アイツのことを信用してんのか、あの人だったら絶対に迎えに来てくれると。」
「昔、この仕事を始める前に中国の半グレの兄ちゃんに言われたことがある。『人間は自分とレベルや強さが似ている者同士群れるんだ』って」
「俺のオンマはいつも必死に喘いで、自分から相手を求めてたよ。薬が切れかけたらサイドテーブルに手伸ばして自分で血管にコカイン入れこんでた」
「そして、それを見ながら泣きわめく俺たち兄弟を見て、オンマの旦那──そう、あの中国人の野郎は憎たらしく笑いやがるんだ。いつも、な」
「まるでお前のオンマは人間のクズだ、そしてお前達はそのクズから出来た子供なんだ。と教え込む様に」
「オンマがコカイン決めてたら、所詮俺もキメる様になるんだろうな」
自暴自棄になってるユンサを抱きしめようとした時、ズキッと後部が痛んだ。
咄嗟にその痛みを庇う様にして、手を回すけどあんまり動かない方が良さそうだ。
彼の目の前にある食器棚に、私も同じ様にして座り込む。
「オンマはオンマで、アボジはアボジなんじゃないの」
「……。」
返事がないのはわかっていた。
というか、私が何を話してるのか彼はわかってるんだろうか。それすらどうか怪しい。