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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第16章 衝撃のヨクサムドン
「このままじゃ死ぬの!アンタが……アンタが死んだら、今まで必死に育てて守ってきたイヴァンはどうなるのよ!アンタだけ先に死ねないんじゃないの!?」
「携帯どこよ──救急車呼びたいのに……」
よほど私を警戒していたんだろう。
私が探せる範囲には、通信機器というものがない。つまり、テヒョンや警察と連絡を取れるものが一切ないのだ。
「……このままじゃ…」
──このままじゃ、すぐに死んでしまう。
咄嗟に彼が首にかけていたバスタオルで手首を強く巻いてから、ガウンの紐で固定する様に上から強く結び直す。
「ユンサ、あんたは──」
「まだ死んじゃダメな人間なのよ……っ」
きっと、すでに私が何言ってるかなんて理解できない域にきているはず。
彼の傷ついていない方の腕を自分の肩に回してから、一度だけ息を吐き抱える様にして立ち上がった。
重たいから相当な体力を使うけど──このままこの部屋に居てもラチが明かない。
そう思った私はユンサを抱えて、部屋を出た。そのときに一応念のため、プレートを見る。
『230A』と書かれていた。