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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第16章 衝撃のヨクサムドン
町並みを見て一分ほど考えると、とある地名が私の頭の中に浮かぶ。
きっと、このスターバックスが目印になっなんだろう。──昔、カンナムでティーと夜ごはんを食べる約束をしていたんだけど、早く来すぎて此処で時間を潰していた。
となれば、ここはどこかって事なんか直ぐに分かる。
ここは──『ヨクサムドン』だ。
わずかに残る記憶を必死に甦らせながら、マンションを背にスターバックスを左に歩き続けると、GS25という韓国のコンビニが見える。
わたしは……まるで何かに取り付かれたのかもしれない。
無かった筈のパワーが体中に駆け巡り、もう息も耐え耐えのユンサに必死に声を掛けながら、歩幅を大きくコンビニに入った。
「アンニョハセ……」
ヨ、まで言えないのはしょうがない。