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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第16章 衝撃のヨクサムドン
「──ッ、リサか?!リサだよな?!」
私と通話しているこの男も……きっと心は三途の川を渡ろうとしていただろう。
あれほどまでに愛して、テテとアイよりも──なんて親が決して言わない様な言葉を口にしかけた程に私を愛していてくれたテヒョン。
そんな彼の元から私が自らの意思で離れるなんて……、想像しただけで、やっぱり少し可哀想にも思える。
「なあ、リサなんだよ「そうよ、私」
「………ッ、ぁあっ…」
すすり泣く声と、必死に状況を理解しようとしているマネージャーさんらしき声。
きっと、どちらかの楽屋にサファイアとFBKとマネージャーたちが居るんだろう。作戦会議、といえば少し語弊が生まれるけれど。
きっと、これからどうしていくのかと深く話し合っていたに違いない。
「テヒョン!!泣いてる暇は無いの。 今、あんた正常?」
「せっ──正常な訳ねえだろっ」
ああ、必死に強がってるな。
語尾が小さくなったのが何よりの証拠だ。でも『正常じゃない』とキッチリ言い切れるのは彼の可愛さでも有る。
「俺のっ、俺の弱点はおまえだって……俺何回もそう言って「分かった!分かったから!」
「とりあえず今は時間が無いの。まともに話をしたい、とある作戦を思い付いたから。」
「作戦?」
「そう、テヒョン。貴方、私のこの話今聞ける?」
「……今は無理だ。……イルトに変わる」
はぁっという小さいため息と共に、リサだ。とたった一言呟いた。