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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第16章 衝撃のヨクサムドン
そして、多分強引にスマホを渡されたのだろう。
少し耳障りな音がしてから、懐かしいあの声が聞こえる。
「……生きてたんだな。」
「さすがマフィアの子、えらく冷静ね。」
「はあ。ヒョンがあんなんで、俺もあんなんだったら誰がヌナとマトモに話するんだよ。」
「確かに。」
「とりあえず、怪我は無ぇのか?急いでも無さそうだから、隙見つけて逃げてきたワケでも無いかな、ってのが俺の想像だけど。どう?」
「合ってる。──ただ、私が怪我をしてないだけでユンサはかなり怪我をしてるの。」
「……ユンサが怪我?」
「詳しくは後で説明する、ヨクサムドンのえっと……」
「12-3のGS25です!!」
「12-3のGS25!もう既に救急車は呼んでるからテヒョンに警察に連絡する様に言ってくれない?」
「了解。」
「多分、本部に居る韓国警察だけじゃなく日本警察・ロシア警察と来るはずよ。一応、民家も近くに有るからサイレンは鳴らさない様に、と。」
「だけどユンサは救急車で搬送されるんだろ?」
「でも血が地面にこびりついてるし、DNAの照合も出来ると思う。」
「──それで」
「うん。」
「あんた、ヨクサムドンで一番高いタワーマンション知ってる?値段が高いって意味ね。」
「ヨクサムなら──、多分ソウル・ヨクサムタワーだな。」
「そこの230Aが、ユンサの部屋なの!!」
「部屋にはボディーガードも居ない鍵も開けて出て来てる。多分、明日の朝までには様子を見に部屋に来るはずよ、だから……血を洗って何事も無かったかの様にしてほしい」
「なるほどな。」
「え?」
「そこの部屋に俺達の若い衆か警察を行かせるよ。」