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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第16章 衝撃のヨクサムドン
「で、ボディーガードが入ってきた時に上手い事掴まえて、イヴァンが心配して乗り込んで来るのを待てば──良いんだよな。」
「………。」
「そしたらイヴァンも逮捕出来るし、一緒に散々なことしてきたであろう歩の取り巻きも逮捕出来る。」
「ユンサは病院だから何も出来ないし、そうなればハンソン兄弟は実質の消滅ということになる。だろ?」
「──アンタ。」
「んァ?俺の検討違いか?」
「違う、流石だな、と思って。」
きっと、この子も私が生きてるという事とユンサが怪我をしてるということにかなりの衝撃を受けてるはずだ。
本当ならテヒョンの様に取り乱して当たり前だし、こんな話は出来ないと思う。
──でも、俺しか居ない。と心に秘めた強さから今のこの子が居る。
「流石よ、あんた。普段ならテヒョンみたいに泣いてマトモにこんな話出来なくて当たり前な状態なのに…」
「私の作戦を確かに理解して、先をヨメるなんて」
「……あんなあ。」
「俺はマフィアの子だ。人が生きるも死ぬもこの目で何度も見てきてる。」
「──し、俺も人一人殺してんだ。これ位で慌てふためく魂じゃねえよ。神宮会のDNA、ナメてもらっちゃ困るわ。」
最後は彼なりの精一杯のジョークだろう。
ふふ、と笑った私の顔を想像して、きっと満足気な笑顔をしてるに違いない。