この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第16章 衝撃のヨクサムドン
「そ……うか。」
「──ねえ、テヒョン。」
「あ?」
「可笑しいよね、あたし。」
「相手はハンソン兄弟よ、死んでも可笑しくない……いや、捕まったとしても確実に死刑になる男なのに、死んでほしくないって思ってるんだもん」
「あともう少し踏ん張ってみろ、って。今は死ぬ時じゃないだろ、って。可笑しいよね。」
「そうか?」
「……え?」
「俺は、正直ざまあみろ。って思ってる。でも、確かにここで何も罪を償わずに逝ってしまうのは違うだろ、とも心のどこかで思ってるよ」
「お前みたいに『生きてほしい』とか『踏ん張れ』とか、そこまで言える魂は無いけどっ、ははっ!それでこそお前だよな。」
「何よ急に笑い出して。」
「いやっ、それでこそ俺が惚れたリサだなって思って。」
「……。」
「損得でしか動かねえように見えるし、計算高いように見えるけど実際は誰よりも真っ直ぐで、曲がった事が大嫌いでさ。」
「相手が誰であっても、必死になって良い所を見つけようとする。可能性が1%しか無くても、その微かな光を信じて前向きな言葉紡いでくだろ。」