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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第16章 衝撃のヨクサムドン

「そ……うか。」


「──ねえ、テヒョン。」

「あ?」


「可笑しいよね、あたし。」

「相手はハンソン兄弟よ、死んでも可笑しくない……いや、捕まったとしても確実に死刑になる男なのに、死んでほしくないって思ってるんだもん」

「あともう少し踏ん張ってみろ、って。今は死ぬ時じゃないだろ、って。可笑しいよね。」


「そうか?」

「……え?」


「俺は、正直ざまあみろ。って思ってる。でも、確かにここで何も罪を償わずに逝ってしまうのは違うだろ、とも心のどこかで思ってるよ」

「お前みたいに『生きてほしい』とか『踏ん張れ』とか、そこまで言える魂は無いけどっ、ははっ!それでこそお前だよな。」


「何よ急に笑い出して。」


「いやっ、それでこそ俺が惚れたリサだなって思って。」

「……。」


「損得でしか動かねえように見えるし、計算高いように見えるけど実際は誰よりも真っ直ぐで、曲がった事が大嫌いでさ。」

「相手が誰であっても、必死になって良い所を見つけようとする。可能性が1%しか無くても、その微かな光を信じて前向きな言葉紡いでくだろ。」

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