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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第4章 想像以上の実力
まるで新人アイドルとは思えない光景に、思わず驚いたけど驚いたのは私だけじゃなかったみたい。
四人が揃いも揃って目を見開くものだから、思わず二歩後退りをしてしまう。──そんな私の腕を引っ張って輪の中に無理矢理座らせるのは童顔野郎、一人しか居ない。
「ええ、イルトの勘当たったじゃん。」
「だから来るって言っただろ。」
「俺達が負けってことだよ」
「おい、ジュン。お前だけ手繋いで抜け駆けしてんじゃねえよ、ゲームスタートは平等だろ?」
イルトと呼ばれてる男は、前のマネージャーを辞めさせた奴。昨日、ど真ん中に座ってた男だ。
そしてジュンは童顔くん。
何やら私が来るか来ないか賭けていたらしい、コイツ達。賭けに負けた四人は乱暴に財布からイルトへ向かって100万ウォンを投げつけていた。
日本円で10万円……。
こいつら、もう呆れてモノも言えない。
「リサヌナ、自己紹介するね。この子がイルトでFBKのリーダー。確か今年で22歳?」
「そう、宜しくリサヌナ。」
取って付けた様な『ヌナ』呼び。本来なら尊敬の意味を込めて使う言葉なのに。
まあ日本人が嫌いな年上の相手でも『さん』って付けて相手を呼ぶのと一緒の感覚なのかな。
「で、俺がジュン!残りの三人は左からミンホ、アリー、ジェジュン。年は全員一緒の今年21歳だよ。」
ミンホはクール系で少しつり目気味の瞳が韓国女性受けしそうだった。
アリーは白人とのハーフなんだろう、若い頃のレオナルドディカプリオに似ている。
ジェジュンは、そうだな。サファイアで言うとジン君みたいな感じ。不動のナンバーツーらしく無口そうなオーラが出てる、本当はどうか知らないけど……。
まあ揃って言える事は、こいつらの今日のコーディネートは私に対しての嫌味とも取れるワンポイントでのシャネル。
──そう、練習生らしくない身なりとお金の使い方からして確実に『羽振りが良い』ってとこだろう。
山下智久に似ているイルトが意地の悪そうな顔をしながら私に質問を投げ掛けてきた。
「ヌナ、俺達の歌聞いたことないよね?」
「聞きたくない」
「……はぁ?」