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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第4章 想像以上の実力
「普通、練習生がデビューする一か月前って必死に練習してるんじゃないの?」
「……。」
「それどころかアンタ達は休憩中だったとしても雑誌囲んで誰が可愛いとか言い合ってたワケでしょ?」
「身なりを見る感じ、ダンスレッスンも本気で取り掛かる様な服装じゃないよね。普通の子達ならそんな大きいロレックスとか指輪外してジャージに着替えて練習するはずよ」
「余裕かまして私が来るか来ないか賭けてたわけでしょ?他の子達が泣く泣く稼いでいる100万ウォン使って。──ってことは、それくらい稼げる余裕も、練習しなくても売れる余裕も有るワケだ」
テヒョンの一言でBNは全館禁煙じゃなくなったらしい。
ジャケットの内ポケットに入れていた携帯灰皿とタバコを取りだして、アボジから貰ったジッポで火を付けた。
「じゃあ私はマネージャーらしくアンタ達の歌とダンスを信じるわ。だからこそ、デビューシングルも聞かない」
「それじゃ仕事にならないでしょ?」
「なるわよ。聞く時に聞くだけ、今勧められたからって聞いてアンタらの実力を認める様な真似したくないってだけの話」
21歳と22歳か──。
そりゃ遊びたい盛りの年齢だし、お金も有ってBNの練習生でデビューも決まってるとなれば当たり前にモテるだろうし上司が手を焼く位にやんちゃするだろう。
「なあヌナ、何にそんな怒ってんの?」
「……はあ?」
「怒ってるじゃん、だって。ジュンが抱き着いたから?」
「テヒョンさんの嫁だし、金の使い方とかで怒るとは思えないしな。となれば、ジュン。お前の行動だろ」
「ええ、俺かよー」
私の機嫌があまり良くないのは、来るか来ないかを賭けられたからだろう。あんな啖呵をきった次の日にこの行動なんだから。
私がバカにされてるって思うのは当たり前だ。
「あんたらツイッターしてる?」
「え?」
「ツイッターしてるか聞いてんの」
「グループのやつがあるけど」
「それ、私に貸して。」
「貸すってどういう意味だよ」
「私が更新するのよ」
「はあ!?」