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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第17章 彼なりのケジメ

「諦め?」


「私は、結婚して子供を産んで本当に人生が変わったの。愛して止まない人が居て……そしてまた愛されてる。」

「勿論、お金にも一生困らない立場にもなれて。」


「……。」


「それで、思ったのかもしれない。『もういいかな』って──。女性なら誰もが羨ましがる人生を手に入れて、帝国財閥トップのお嫁さんっていう、レッテルも手に入った。」

「知らない間に格好良いFBKっていう五人組が側に居て、みんな私のことを守ってくれて……」


「ここまで楽しませてもらって、夢を見させてもらったから──残りの二十年、三十年が我慢の連続でも良いかな、と思えたのよ。私の我慢で彼が人身売買から手を引けるのならば、その道も有りかもしれないって」

「離れてても、テヒョンは私の心に居続けるし、テヒョンやFBK、テテとアイの心からも私は消えることがない」


「つまりクサイ言葉かもしれないけど、それって心の繋がりと同然だなって」


「愛は信用なのよ。私がユンサと籍を入れてもそこに愛が生まれること無いのが分かってた。私の心には信用しきっているテヒョンが居るんだからね」


結局変わるのは苗字と戸籍でしかない。私たちの心は変わらない。

その絶対的な自信が有ったからこそ、私は我慢の日々になっても構わない、と見ず知らずの子供達の為に犠牲になることを選べたのだと思う。

もしかしたら、ユンサのことを救えるかも。って思いも有ったかもしれないが……そんな確証はない。

何より私の救いたかった子達は『未来を奪われかねない子供達』であることに、それこそ自信を持ちたかった。

だから敢えて、それについては何も言わない。

それより何よりパッと浮かぶのは、アボジと愛子さんの関係性だった。

戸籍上の繋がりがなくても……もっと言うと会えなくても……それでも思い合っていたのだ。

そんな素敵な二人を知る私にとったら、今回のこの決断もそこまで可笑しくはないと言えるだろう。


「俺のオンマもお前みたいだったらな。」

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