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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第17章 彼なりのケジメ

「これが俺のケジメと償いだよ。」
「兄貴の為にも、な。」
「何が兄貴の為よ……何にもユンサの為になってないじゃない!アンタが──アンタが、ユンサが自害したも同然ということを受け入れられないだけでしょう!」
私の言ってる事に反論は無かった。
その代わり、少し寂しそうな笑顔を見せてから銃口を自分の頭へ向けるイヴァン。
もうダメだ──、そう思った時。
病室の扉が派手に開かれ、乾いた音が室内に再び走ることになった。
「……ってえ、」
コロン、と落ちるイヴァンの銃。
彼の真っ白の手は血で溢れる自らの右太股を押さえていた。
「待って!!イルト、テヒョン!彼を殺さないで!!」
大量の人だかりの真ん中には、見慣れた旦那さんと私の事を愛してくれている五人。
その後ろには、イルトのお父さんが居た。考える間でもない、彼らの周りの取り巻きは神宮会の子達だろう。

