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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第18章 子どもの嫉妬
「そりゃするだろ。始めは何処かからの権力でこの事件が隠されてたんだ。今だにどこの力か分からねえのに……何のバックも無く『言うだけ言ってみる』なんてバカのすることだろ」
「まあ、ムイ大統領の反応を見る限りは圧力の本元は政府っぽいけどな」
……あながち有り得るな、と思った。
もしそんな事件が公に出れば、今だに捕まえていない・そして何の証拠も掴めていない韓国警察とそれを指揮する政府が叩かれる事は目に見えてるんだから。
その飛び火が何より怖いのは、世論がモノをいう韓国で生まれたテヒョンも大統領もよく知っているはずだ。
口を尖らせながらテヒョンを見ると、よほど私の顔が可笑しかったのか、ぷっと小バカにした様な笑みを浮かべられる。
「でもさあ、リサ。」
「どうしたの?」
後ろに回り込んだ彼は、私を抱き締めながら珍しく甘えた声を出す。