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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第18章 子どもの嫉妬
「ははっ、違う違う。」
「それでこそ……」
「え?」
「いや笑って悪い。でも……何て言うんだろうな、それでこそ俺が愛したリサだなって思って」
「……何それ、そんなこと言って私の機嫌が治るとでも思ってんの?」
「ああ?お前こそ、どの口が言ってんだ」
悪戯っ子の様に後ろから私の胸を揉む彼。思わず、高い声が出た。
「……なんかさ」
「ッ、うん。」
泣いたり笑ったり、かと思えば胸を揉んだ次に真面目なトーンで話してみたり。
本当に私の旦那さんは──感受性が豊かというか、男心を表すプロフェッショナルだな、と思う。
「俺って、昔は自分一人で生きてきたと思ってたんだよ。でも違うかった、ヒョンにもBNの会長にも……みんなに助けられて俺は生きてこれたんだって気付けたんだよ」
「しかも──お前が居たから俺は俺になれたんだ。つまりお前が居るから俺が居て、帝国も有る。」
「……俺は繊細で人一倍弱くて、でもそのストレスをどこに投げれば良いか分からない人間だった。」
「だけどお前に生きさせられてるんだよ。お前が居るから等身大の自分で居れて、だからこそ帝国財閥もここまで大きくすることが出来た。」
「なあ」
「んっ……」
「テテとアイはいずれ俺達から離れていくんだ。それが成長ってことだからな。」
「そうね。」