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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第18章 子どもの嫉妬
「つまり……俺が死ぬときに側に居るのはお前なんだよ、リサ。──だから俺はテテとアイよりもリサを大事にこれからも生きていくと決めてる」
「それが俺がリサに出来る唯一の恩返し、だと思わねえ?」
「ふふっ、そうかもね。……じゃあさ、テヒョン。逆に私が愛にもお金にも何不自由なくこうやって暮らしていけてる事に対してのお返しは何をすればいいの?」
「はあ?馬鹿か、おめぇ。」
「──ただ、こうやって無事に生きて笑って怒って泣いてっていうのを俺の隣でしとけば良いんだよ。それだけだろ」
「第一なあ、お前から日本国籍と苗字を貰ったのは俺なんだ。お前は恩返しとか考えなくて良いし、俺はただそんな貴重なモンを捨てさせて自分の元へ来てくれて、尚且つ何があってもこうやって付いて来てくれることに感謝して……」
テヒョンは私のことになると弾丸トークを開始し出す。
その口を塞いだのは私の唇。
久しぶりのキスは舌なんか絡み合う様な大人なキスではないけれど、そんなモノ以上に私に幸福感を与えてくれる。
ミルクティーと彼の大好きなレモネードが交ざったキスなんて……合わない様に思えるのにね。
不思議なモノだ、私と彼というソン夫婦の手にかかれば見事にマッチしてしまうんだもん。