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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第18章 子どもの嫉妬
「──ッ」
彼の手が私の後頭部に回った瞬間────だった、リビングの扉が勢いよく開いたのは。
「っ、パパ?!何してるの!!」
見違えるほど上手になった日本語。
私たちの視線の先には……怒り心頭のテテが居る。
勿論、その後ろにはアボジに抱かれているアイを筆頭に私の大事な家族の姿。
「ちょっと!テテのママに勝手にチューしやんといてよ!!」
無理矢理剥がされた二人の間に入り込み、まるで悪者から市民を守るヒーローのような体勢で我が父親に立ち向かっているウチの長男君。
私とテヒョン、そしてアボジとお母さんとクリスタル──という五人の大人が大笑いをするのにはもう充分過ぎる材料だ。
「ッ、ごめんね。テテ。ていうかアボジ達早くない?」
「いやあ、アイの提案でね。驚かそうということでわざと遅い飛行機の時間を伝えていたんだが……まさか、テテにとってショックな出来事が起こるなんてな。」
「ショックどころじゃないねん、じいじ!!パパが……テテの居ないところでママにチューしてた!」
気のせいだろうか?アボジの日本語も上手になっている。死ぬまで勉強、とはまさにこの事だろうな。