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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第4章 想像以上の実力

悪ガキたちを無理矢理『昼ごはんでも食べてきて』と外に出した私は急いでスタッフ専用の事務所へ向かった。

用意されたデスクには彼達の発売予定のCDとプロフィールらしきモノが書いているであろうマニュアル。そしてノートパソコンという至ってシンプルなオフィスレディーという感じ。

パソコンを直ぐに立ち上げてイルトに教えてもらったパスワードを入力し、ツイッター画面を開く。


そこには本当のFBKの姿が想像できない位初々しい内容が沢山書かれていた。

「あと30日でデビュー、緊張するけど頑張ります」

「皆でダンスレッスン中。ヨンホが本気モードだから負けてられない……」

ジュンが更新したんだろう。彼の自撮りが一緒に添付されてあった。

だけど指ハートを作っているジュンの腕にはロレックスのサブマリーナと指にはクロムハーツ。少しだけ写っている服は襟が立っていてロゴはヴィトンのアレ。

負けてられないって……練習もしてないクセに何言ってるんだろう。


別ウィンドウで会社共有のフォルダを開いてみると、そこには『FBK SECRET』と言う文字。ご丁寧にパスワード入力画面が開かれた。

本当にシークレットだとしたら私は彼達のマネージャー。知る必要がある。

隣で事務作業をしている何度か顔を見た事があるおじさんに声をかけた。

「すみません、これのパスワード分かりますか?」

「ああ、デビュー日だよ。だから0411だね」


「へえ、有難うございます。」

「そこに書いてある事を見たら早速マネージャーを降りたくなるんじゃないかな?」

「どうしてですか?」


「まあ──パスワードを付ける位だからね。彼達の悪行が事細かに記載されてるよ」

「悪行?女に対しての?」


「そうだね、見てからのお楽しみ。にしてみるのも有りじゃないですか」

ティーが置いていってくれたらしいスタバのミルクティーを飲みながら『0411』と入れると、内容が多くて重いのか徐々に映し出されるハングル。

画面をグッと自分の方へ引き寄せてから顔を近づけた。

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