この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第18章 子どもの嫉妬
はあ、っとため息をつきながら大きなボストンバックをソファーの上に置いた。
今シーズンで一番人気のあるヴィトンのものだ。
無地の青色がメッシュの様に斜めに入っていて、モノグラムの模様も夏らしくカラフルに施されている。
確かスペインかコロンビアか忘れたけれど、どこかの限定品だった気がするんだけどな……。
「あ、これ?これ可愛いやろ」
「うん。でも珍しいね、お母さんがヴィトンのそんなド派手なボストンなんて」
「それ以上は禁句やで、アボジからの『いつもありがとう』の感謝の気持ちやねんから。」
「ちなみにクリスタルが五万、テテとアイが千円ずつカンパしてくれたらしい。一生物やろ?」
とニヤリと笑う母親、多分すごい嬉しいんだろうな。
表情と声色がそれを物語っている。
さっきまでは怒られた事実にショゲていたテヒョンも、その話を聞いて笑顔になっていた。
「私って本当幸せだな。」
「え?」
「ううん、何もないよ。」