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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第1章 自分勝手な旦那さん
「性格や気持ちの表現方法とかは、子供の内に過ごしてた国のものが染み付くものだ。」
「俺は日本人的な考えをもって、あいつらに成長していって欲しいと思ってる。」
「別に韓国がダメって事じゃない。でも帝国をここまでデカクした親父と俺──。」
「そんな二人が日本人に惚れたんだから、日本人的な要素を子供に持たせる教育をするのは当たり前だろ。」
最もらしいことを言っている。
でも──どこの世界に、母親の許可無しで勝手にこんな大きなことを判断するヤツがいるんだろう?
私が、この人と結婚をすることになった……
帝国の会長であり、サファイアのリーダーでもある『ソン・テヒョン』の夫人となった全ての発端の出来事。
そう『強制連行事件』。
あの過去を思い出させるほどの強引さだ。
美味しいダージリンティーが入ったカップを持つのも躊躇した。それ位の衝撃が私を襲っている。
「日本人の私が居るのに……。」
「でもお前が居るのは韓国だ。」
「──っ。アボジ面倒見れるの?」
「ああ、その事だけど」
思い出したかの様に再び話し出すテヒョン。今日はゆっくりなんだろう。ネクタイすらまだ閉めていなかった。
「お前のオンマとクリスタルが俺のアボジとテテとアイの面倒見てくれることになってる。」
「はあああああ?!」
本日二回目の大悲鳴。
立って話を聞いていた三人の家政婦さんも、苦笑いをしていた。