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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第4章 想像以上の実力
言い切った私は一気に水を飲み干してから、チェーンスモーカーらしく最後の一本にゆっくりと火を付けた。
韓国に来たばかりの頃は、自分がここまで本気で、早口で思った事を捲くし立てる日が来るなんて思ってもなかったものだ。
それが今ではこうなってる。
だからこそ人の気持ちも世論もファンも水モノと思うんだろう、どうなるかは分からないけど……軽くならコントロールも出来る。
「怒られんじゃねえの?」
「えっ?」
一番最初に口を開くのはここでもイルト。
やっぱり年上だしリーダーになるだけあって、頭の回転も一番早いのかもしれない、まあテヒョンと似ている所も幾つか有りそう。
「ヌナが、だよ。」
「いくら炎上商法、いくらテヒョンさんの嫁って言っても、こういう事に関してはド素人のリサヌナが規律を守る韓国と云う──そう、韓国の芸能界でこんな事をやってのけた。」
「怒られる……かもね」
「もしかしたらテヒョンにもボロクソ言われるかもしれない。あの人は──帝国と同じ位BNにも愛が有るし、パンさんにも恩を感じてるから。」
「私はそんな人達が大事にしてる商品の色をわざと変えて、目立つ様に販売してるようなもんでしょ。」
「……そりゃ離婚って事になるかもしれない」
「こんな所にキスマーク付けられててもさ、どんだけ愛してるって言われても、信用されてても『所詮は人間の気持ちなんて水モノ』だもん」
「こう動けばいいな、こうなる可能性の方が高いなって思ってても、残りの1%に事が動く可能性だって否定できない。私が帝国の夫人になったように」
「でも──どうなっても良いっていう覚悟で、私は今回この行動を起こしたの」
「一日でクビになっても、離婚になっても……『成る様にしか成らない』って根性キメてアンタ達を有名なグループにするって決心した」
「だから──アンタ達も口だけじゃなくて本気で仕事してみなさいよ」