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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第4章 想像以上の実力
会長はまだあのツイッターを見ていないのかな?いや、そんな筈はない。絶対に誰かが報告をしているはずだ。
でもツイートも消されていなければお咎め無しの所を見ると、皆私の行動に怯えながらも何か策があるからだ──って分かってくれているのだろうか。
携帯の電源を切って、思い出が沢山詰まったカルティエの時計を外した。
そして、自前のノートにBNに現在所属している5つのアイドルの情報を書き出す。勿論、ここにサファイアは無し。──彼達とは土俵が違うから。
『敵を知る』ための今回の行動で彼達の情報を書き出すのは、今はあまりに無意味過ぎる。
「KBLOCKはデビューシングルが一位か、曲はリーダーのチェホンが作詞作曲担当で……ふうん、ヒップホップ系なのね」
「大人に噛み付く様な歌詞や思春期独特の悩みがリアルな共感を呼んで人気に繋がった……メンバー間の仲は良く、ダンスチームとボーカルチームに分かれてる。」
皆からの好奇心たっぷりの目を無視しながら、インターネットで一つずつグループを調べてはユーチューブのアクセス数、そして曲のジャンルといった事細かな情報まで書き出すのは結構な体力を使いそう。
だけど基本形、こういう『成り上がり』ってのが大好きな私。
彼達を『成り上がらせるための努力』は、苦労とは思わないかもしれない。