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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第5章 嫉妬か否か
サファイアは全員、超がつくほどの酒飲みだ。
この場でまだ素面を保っているのは私と会長くらいだろう。マネージャーさんもティーも、久しぶりのこの感覚に踊らされて飲んでいたから、既にベロベロになっている。
開始二時間半で、机の上には沢山のワインの空き瓶が並べられていた。
下げさせないところを見ると、メンバーの誰かがインスタグラムにでも載せるんだろう。
そんな事をしかねないのは、可愛いマンネのルイ君しか居ないけどね。
「いやっ、本当リサヌナには驚かされっぱなし!!まさかあのFBKのマネージャーになるとは思わなかったし、あんな事をしちゃうなんてね~」
「本当そうだよ、俺も自分の嫁だけど、まさかあの事実を公表するとは思わなかったわ。よくヒョンも止めなかったよな」
話は会長に振られた。
やっぱりいつ見ても紳士で優しそうなパン会長は、にっこりと笑いながらワイングラス片手に私を見つめる。
「テヒョンが選んで、あの帝国の会長さんにまで応援晴れて──見初められたリサさんのことだ。何も考えずに、あんな事を書くワケがないだろう。」
「僕はテヒョンの事を信用してる、だからテヒョンが一番に愛して信用してるリサさんのする事を信じるのは当たり前だ。」
「……会長」
「いやあ!もう、愛ですよ!愛!!」
いい雰囲気を潰すのはやっぱりルイ。
私とジン君の手が同時に彼の頭をはたくのを見た皆は、心の底から笑っているようだった。
「だけどアイツ達もすげえもんだよな。女をあんだけ取っ替え引っ替えして、ゲームだ何だってしてるんだから」
「俺達も人のこと、言えないだろ。」
冷静に突っ込むのは、常に静かで物事を俯瞰している様に思えるジンくん。
みんな年を取って丸くなったはずだけど──こういう場面では少年に戻る。
そんな中で、テヒョンとツートップとしてクールに降臨し続けているのが彼なんだ。
「まあ、俺達三人はヒョン二人の背中見て育ってきたも同然でしたけど──凄かったですもんね。」
「本当だよな、ロイ。」
「いやいや、ロイとジミン。俺なんてテヒョンさんに浮気のアリバイ作りに協力させられたから。」