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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第6章 期待ばかりの日本旅行
「ヌナ、そんな急いでどこ行くの?」
「まずは衣装の買い出しよ。」
「日本久しぶりだな」
「へえ来た事あるんだ」
関空から出て目の前の建物の喫煙室でタバコを吸ってる私達。臭いからして彼達が喫煙者だという事は分かっていたけど、目の前でこうやって吸われるのは初めてかもしれない。
まあヌナだと言えども、別に年上の前でタバコ吸うなとか酒はあっち向いて飲めとかそんな事は言わないんだけど。
「リサヌナ、何飲む」
ぶっきら棒な声の持ち主はジェジュン。
財布から両替した日本円のコインを取り出して、目の前の自販機を指さしてそんな事を聞いてくる。
「マジで奢ってくれんの?」
「別にこれくらい良いけど、だってヌナ衣装代落とす気ないんだろ?」
予想外の言葉。
「……」
「まあ普通に考えて分かるわな」
「何で知ってんの」
「そりゃ一か月前にイキナリ曲も衣装も路線も変えるっていう事を一日で決めれないだろう。って事はヌナが衣装代もレコ代も全部とりあえず自分持ちにして、それ手に会長とか役員たちに直談判しか考えれねえもん」
「アンタらも、バカなフリしてガキなくせにちゃんと人の事見てんだ」
とりあえず言葉にした私は──バカとかガキとか子供くさいもの。
でも女慣れしている彼達はきっとこれが照れ隠しだと分かっているだろう。
「ま、お前が俺達の為にああやって頭下げてくれんだからな、俺達もマネヌナとしてお前の事見なきゃダメだろ」
「……イルト」
マネヌナっていうマネヒョンいじりのくせに私の事は『お前』呼び。なんだか慣れないこのギャップだけど、こういう所も本当にテヒョンそっくりだ。