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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第6章 期待ばかりの日本旅行

「こんな事言っても意味ないって分かってるんですけどね」

「──今、ここであたしが財布の紐緩めて彼達をロックに着飾ってみたって結局は、それが成功するのか失敗するのか何て分からないんです。」

「………。」


「でも、やるしかないなって。」

「失敗を恐れるものに選択肢なんて増えるはずがないでしょ?」



「──私はお客さんの状況とかは分からないですけど、でも最後の一言は本当にそうだと思います」


「こんな競争率の高い所で、インポートショップっていう元手が掛かってライバルが沢山居る業界に入るなんて本当に博打だったと思うんです」


「ご自身のお店なんですか?」

「はい、見た目もこんな感じだから雇われ店員だと思われがちなんですけどね」

と言いながら自分の長い爪を触る彼女は派手なキャバ嬢そのものって感じ。

確かに見た目だけなら『雇われ』に思われるだろうな。


「実際は水商売でお金貯めて、ここにお店を出したんですけどね」

「──でも、それでとりあえず三年間はこうやって細々だけど、ミナミの方に愛されて生活出来てるのは私が失敗しても良い覚悟で、とりあえずやってみたからだと思うんです」

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