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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第7章 記念すべき四月

真っ白のバックに、見るからに『不良少年』っぽい服装と髪型をした男五人が今から並ぶ事を考えると別の意味で鳥肌が立ちそうだ。

「だけど──なんか俺はヌナの事諦めて良かったと思う」

「諦める?」

「うん、ゲームのターゲットから変えるってことね。」

「ああ、何でなの?」


「うーん、なんかさ」

アイコスをセットしながら私の事をこうやって『ヌナ』呼びで呼んでくれる男は、赤と黒のチェックシャツを腰に巻いた男。

「LONDさんが俺達にくれた曲って、ゴリゴリのロックじゃなくてちゃんと俺達の事を思ってくれたアイドルらしいロックだったじゃん?」

「スタンドマイクで歌うにしても、踊るにしてもどっちでもイケる様に作られてるのに──ヌナの要望通り、色っぽさとかロックなりの派手さとか。そういうのが含まれててさ」


「もし、あのままヌナをターゲットにして仮にジェジュンやイルトが落としてたら……またデビューシングルは変わったモノになってたかもしれないし」

「こうやって路線変更もしてなかったかもしれない。つまり、あのままの『よくあるアイドル』っぽい曲と衣装でPV撮影して、初ステージに立って」


「ツイッターでもウソ偽りだらけの言葉書いて」

「………。」


「でも今は逆でしょ」

「アイドルのツイッターらしくない事ばっかり書くじゃん、ヌナは」


「ははっ、そうか「そうだろ」

被せてきたのは静かにセブンスターを吸ってるFBKのリーダーだった。

「どこの世界に『やる気のない子達』って文と、練習着で俺達が雑誌指さして遊んでる風景を写真に撮って投稿するマネージャーがいるんだよ」

「っ!」


「濃厚なラブシーン五人で見てる動画のせて?その時にミンホが言った『俺もこの女優さんなら夜何回でも……』ってマジな顔して呟いてるのを爆弾音付けて、でもファンが何言ってるか理解できる様に加工して投稿して?」


「ははっ、マジそうだよねイルト。でもヌナが更新し出してから良い意味でも悪い意味でも再注目される様になったじゃん」

「今エゴサーチしても結構肯定的な意見多いよな」

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