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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第2章 新たな企み

「まるで子どもを私から取り上げる様なマネして、その判断をしたのもテヒョンとアボジって?つまり帝国の人間じゃん。」

「凡人の私は、貴方達に言われるがままに動くしか無いワケ?まず大事な時期に子どもを育てなかった私がテテとアイに母親として認識されるのかしら?」

半分ヤケクソだ。

あの話をされた時から、胸の奥に閉まっていたものを、今だ!とばかりに彼に言ってやる。

あくまでもタバコを吸いながら冷静に話している素振りをする私だけど、本当はそんなのただの素振りでしかない。

きっと付き合いの長いテヒョンは、それを分かってるはずだ。──だからこそ、黙って私の目を見てる。


「つまり、何が言いたい?」

「だから──。」


「何だよ、本当はお前が一番ビビってる事があるんだろ?」


ほら、お見通し。

ゆっくりと目線を彼に合わせると、悪魔の様な微笑みを私に向ける。

そういえば彼の今日のスーツはシャネルだ。


ああ、やっぱり彼は『シャネルを着た悪魔』なんだろう。父親になっても、帝国の会長になっても、前よりもスターになっても、そこは変わらない。


「……私はっ、貴方達に勝手に日本にテテとアイを送ると判断されたことに腹が立ってるの!私になんの相談も無しで……まるで私から引き離すみたいに。」


「でもっ!」


「それ以上に、あの子達が10歳、11歳とか思春期になって韓国に帰ってきたとするよね。その時に『オンマは俺達のことを育ててないだろ』って言われるのが怖いのよ。」

「……。」


「私はあの子達の母親なの。母親だったら楽しい事も思い通りに成らない事も、子育て特有の悩みやあの子達の成長していくにつれての悩みを、家族で共有するのが当たり前でしょ?」


「側に居ることが当たり前でしょ?」


「そりゃ確かに二年や三年で韓国に帰ってくるかもしれない。もしかしたら一年かもしれない。」

「でもその期間を棚に上げて『俺達を育てなかった』と子どもに言われるのが──私は本当に怖いの。」



これが、私の本心だった。


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