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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第7章 記念すべき四月
「二人三脚で頑張っていこうよ。違う意味で私はアンタらの『コントローラー』になる必要があるしね」
「──私もテヒョンの応援や会長の支えに応えなきゃダメだもん」
言い終わったと同時にタイミング良くカメラマンさんの声が響く。
どうやら撮影の準備が整ったみたいだ。最終チェックと称してメイクさんが簡単にもう一度メイク直しを全員にしていく過程を見ていた。
「……イルト」
「ああ?」
「あんたも"テヒョンにとっての私"みたいなの見つけておきなね。デビューしてからの一年は絶対的な味方が必要になってくるから」
「マネージャーなのに、恋愛にうつつ抜かせって言ってんの」
「違うわよ。……FBKは今までのアイドルが通った事のない道をいくの。それがイバラなのは想像できるでしょ」
「………。」
「アンタも若い男なの。その時に心の支えになってくれるのは真剣に愛してくれる女ってよくわかるでしょ」
「リーダーで、繊細なテヒョンがあそこまで強くなったのは私が居たから」
「────じゃねえかよ」
小さな声でぽつりと呟いた彼の言葉は英語だった。
「何て?」
「リサが居るじゃねえかよ。」
「だったら他は"まだ"要らねえわ」