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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第7章 記念すべき四月
スマホをお尻のポケットに直した時、聞き覚えの有る声が私の耳に届く。
「おっヌナー!」
「……ルイくん!」
「スタジオ一緒だって聞いてたから遊びに来たよ」
「そうなんだ。テヒョンも?」
「ううん。今日はヒョンは帝国の会議が有るから、後から合流する予定」
「へえ。」
「それより──最高じゃん、FBK。」
「でしょ?」
「うん。髪のセットの仕方も日本らしさがミックスされてるし曲も聞いたけど、ゴリゴリのセクシーロックって感じだもんね」
「さすが、よく分かってくれてるよ」
「もう業界でも早速話題になってるよ。ヌナのツイッターの事も、新曲も服装も全部。新しい風なびかせてくれた日本人として、メンバーよりヌナの方が今では有名かもしれない」
「なにそれ。」
「だってそうでしょ、アイドルらしいアイドルっていうのが韓国の常識だったのに俺達みたに世界的アイドルになる前から悪い所さらけ出して、不良少年路線でいくんだよ?」
「確かにヒップホップも酒と薬と女って感じだろうけど、ロックとはまた違うからね。いい意味でファンの子達は期待を裏切られると思う」
「……。」
腕を組んで、まるで親の様に彼達を見守るルイくんはやっぱり大御所ならではの余裕とかオーラが有るんだよね。
「……ヒョンが褒めてるよ」
「っ、テヒョンが?」
「うん。昨日一緒に飲んだんだけど──ずっとヌナの話ばっかりしてた」