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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第7章 記念すべき四月
『今は一緒に飯食ったり、抱いたりも出来ねえけど──あんな事をしでかそうとしてるアイツを俺が応援しねえと潰れちまうのは目に見えてる。』
『韓国は悪い意味で保守的過ぎるし真似が多すぎるんだよ』
『そこにアイツがメス入れるんだ、俺っていう後ろ盾も使おうとせずに。じゃあ悲しいだの寂しいだの言ってる場合じゃねえだろ』
『俺がアイツの背中支えてやらないと』
『アイツが──今だに辛い事や心ない事を言われ続けても、俺の嫁として頑張ってくれてるんだしな』
「───テヒョンがそんな事、ルイ君に言ったの?」
「うん。真面目そうな顔してね」
「……。」
「ヒョン、気付いてるんだよ。あのソン・リサがFBKのマネージャーしてるってネットで騒がれ始めたのをキッカケに、また誹謗中傷されてるの」
「ルイ君も知ってたんだ」
「そりゃ、イヤでも見るでしょ。インターネットニュース記事にFBKが乗れば、そこのコメントには必ずセットでリサヌナの名が有るんだよ。」
「やっぱり男の顔狙いとか、テヒョンを使って女を楽しんでるとか、テテとアイを日本に送ったのは自分がイケメンと遊びたいからだって」
「──誰よりも根性キマってんのはいつもヌナだね」
「っ、ルイ……くん」
優しい笑顔で、そう言った彼の胸に飛び込むのはまた違う。
確かに──そんな事がこの数週間続いててメンタルの図太さは『アート財閥の一件』で証明された私でも、ちょっと色々と考え込む事があった。
だけど前しか向いてられない。
一歩も引けない。
そんな状況を察知されずにいたと思ってたのに──やっぱり、ああ愛しい旦那さん。
ソン・テヒョンは私の何倍も上手で人を見れる人間なんだろう。自然と涙が頬をつたっていくのが分かった。まるで緊張の糸がプツンと切れたかの様に。