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さらに近くてもっと甘い
第4章 家族の形
「このままじゃいけないと思って…」
「え?」
ドキリと胸が鳴る。
どういう意味だっ……!?
浩平は自身の行動を思い返しながら、何かいけなかったのか探る。
でも、反省点しか見当たらず、苦しくなって思い返すのをやめた。
「なにがっ…」
痺れを切らして再び声をかけると、愛花はニコリと笑った。
「私……物心ついた時から、ずっと誰かのおうちにお邪魔してるから…」
少し物悲しそうな声音。
守りたくなってより一層手を握る力が強くなる。
「自立……したいなって…」
「自立?」
聞き返したあと、浩平はあぁ、と声を漏らした。
愛花は両親を知らない。
気付いた時にはもう養護施設。
そこもずっとはいられないし、自分で稼ぎたいからという理由で16の時にはもう出たと言っていた。
当時人手不足だった有川家にメイドとして……