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さらに近くてもっと甘い
第4章 家族の形
─────…
辺りはもう大分暗い。
揺れるワンピースの裾を見つめながら、浩平はそっと愛花の手を取る。
「ご飯……本当に美味しかった」
繋がれた手を握り返しながら、愛花がポツリと呟く。
「絶対愛花がいつも食べてるものの方がうまいだろ」
「そんなことないよ。やっぱ“家族”でご飯食べたからかな?」
暗闇の中でも愛花が笑っているのが分かる。
そういうかわいいことサラッと言うんだよなぁ…
無意識、なんだろうか。
そうだとしたら、他にも惚れるやつが出来そうで怖い。
「もちろん真希様たちも私にとって家族だけどね」
少し手を握る力が緩まって、浩平は慌てて力を入れた。
「愛花…?」
「………私」
立ち止まった愛花。
不安になって浩平は顔を覗き込む。